
今回はいつも楽しく遊びつつ、開発に協力してくださっているポングさんとお話させていただこうかと思います。
ポングさんはきっとベースの機材を調べると、必ずヒットするであろうマニアックな方。
現在は埼玉県にてベースの講師をされています。
そんなポングさんですが、実は最初は最大の私のアンチだった存在であり、現在はFumi Soundにとって欠かせない存在でありいつも楽しく実験したり、老舗のホルモン屋さんに顔なじみになるぐらい二人で通ったりしています。
10年にはなろうかという関係性を含めつつHookerについて深掘してみようかと思います。

二人の出会いについて


F:出会いはたしか10年前ぐらいでしたっけ?実際の出会いの印象は最悪でしたねー。
当時開発していた自信作の単機能プリの試作の回路をもっていったのに鬼の様なご意見でした笑
P:そうだね~。正直、全然興味湧かなかった!
F : 笑っちゃうぐらいダメ出しされて、逆に燃えました笑
P:あん時はもう次来ないかと思ったよマジで!
F:いやいや、こんなに楽しい人はいないと思ってすぐ作り直しはじめて笑 またすぐ行きませんでしたっけ?
P:そうなんだよ!すぐ進化してきて驚いた!あのコンプ感とかレンジの狭さってどう改善したの?
F:どうだっかなー。。実際にやった電子回路的なことは昔すぎて全く覚えていませんが、
より耳を使って制作するようになっていったんだと思います。
電気的や回路的にいいものばっかりに頭がいってしまっていて、実際の出音とリンクしていなかったのかなと

P:なるほど!確かにそんな印象あったね!
電気的なクリーン感とかスペックとか追ってて全然面白くない感じ?
それが回を追う事に変わっていってビックリしたよ!
F:ありがとうございます!
やっぱりいくら電子回路であったとしても、大事なのは奏者とのリンク感であったり発音の良さですからね。
大事なこと伝えてもらえたと思います!
遠藤(以下F):ポングさん、いつもレビューや音源制作していただきましてありがとうございます!
今回は出会いからHookerの開発時に親身にご意見いただいたのでその経緯や感想について深掘り出来たらなと!
ポングさん(以下P) : うす!楽しくやっていきましょう!
Hookerの開発にあたって
P:Hookerの開発のキッカケって何だったの?
こっち的には急な登場って感じだったけど、
あれってすぐ出来るもんじゃないよね?
F : あれは個人的な趣味というか、挑戦というかそんな感じでした!
当時はあれだけ風変わりで面白いディスクリート回路も存在しないと思いますし、
勉強も含め何年も自分なりのオリジナル回路を作りつつ、アップデート重ねつつ、
ようやく原型ができてポングさんのところに持っていた感じです。
P:ビックリしたよ!ここまで来たのかよって!
ただそれでも、試作品はそこまで欲しくならなかったかなぁ?
ちょっと音が綺麗すぎるかなって感じたかも?
機能的にも便利になった感じとか新しい部分は無かったし。
F:確かに試作の段階では、少し毛色が違いましたねー。
よりオーディオ的というか、きれいにまとまりすぎてて音の動きまではでていない感じ?
まぁでもこの段階だと発表するつもりもなかったですし、機能面まではあんまり頭が回っていなかったかも。
P:確かに趣味で作ってる感の方が強かったかもねぇ。
良いんだけど必要性を感じない。魅力が薄い。綺麗で主張が無い。
こんなんじゃ納得できねぇ!って伝えるしかなかったかな。
F:やっぱりそこまでの魅力は出ていなかったんですね笑
でも、そう言われてしまうと私は火がついてやる気がちゃうんですねー笑

プロトを作る前の実験機
中身を何度も取り換えこれで実験していた
P:EQ全開でスラップ専用とかだったら有りだけど、
それだともう何か繋がらないなって感じもあったよね。
ベースらしい厚みとか説得力とか、パンチ、唸り、
もっと分かりやすい迫力とか美味しさを出せないかなってさ。
あそこから詰めてくの大変だったでしょ!?
F:そうですね。魅力を出すのはなかなか大変でした。
ベースらしい厚みとか説得力とか、パンチ、唸りは最重要課題にして詰めていったように記憶しています
その中で面白かったのはやっぱり電気的にいい回路と、音楽的にいい回路は結構違うということに改めて気づかされました。
Hookerのクリアかつベースらしいサウンドを出すための増幅回路はかなり変わったオリジナル回路を開発していて、
直線的に増幅するというよりは、小振幅と大振幅で回路の挙動が変わります。
でもクリアに出しているという変態的な回路ですね笑
P:こっちは電気的な事なんか全然分かんないんだけど、感覚的に噛み合っていくのが面白いよね。
スーパースラップサウンド!って言っても、あんまり直線的すぎると細く感じたり、
普通のプリアンプとして使うのに頼りなかったり、物足りない印象になるんだけど、
Hookerはディスカッションする度にどんどん良い感じになっていった。
F : 電子回路と弾いている感覚を組み合わせていくのは本当に難しいです笑
私個人の感覚的にアコースティック的な要素を求めると、一般的な電子回路だと今一歩届かない感じがしますね。
ちょっとだけ違う目線で回路に向き合わないとそこまでいかないというか。
電子回路だけに向き合っていると頭が電子回路にいってしまうので、ポングさんの感覚が非常に助かりました!
P:Hookerのタッチレスポンスはマジで気持ちいいよね~。
嫌味で窮屈なコンプ感とか無いし、厚みとか艶が自然に加わる。しかも応答性がめちゃくちゃ良い!
パッシブが好きな人とかもこれだったら違和感ないと思うし、むしろ通しっぱなしにしたくなるんじゃないかな?
そういうペダルってありそうで全然無いよね。味付けが濃すぎたり、色付けが強すぎたり、弾き心地にも違和感がある。

F : ありがとうございます!
これは自信作ですからね。本当に色んな方に弾いてほしいと思っています。
P:いやほんとさ!これが欲しかったんだよって感じ!
よくこんなすげぇモン作れたなって!
F : 私も頭を切り替えつつ、色んな要素を詰めれたからだと思います。
弾き手の感覚を存分に詰め込むことができましたし、一人では出来ませんでしたよ~!
P:妄想はいくらでも出来るけど、こっちは回路は作れないからね~。
だからこそ遠慮なく好き勝手言えたし、本当に良い物が出来た。
ジャンル問わず色々な人が弾いて欲しいよね。
これだけプレイヤー感覚も詰め込んで作られた回路ってそうはない!
F : いえいえ~ほんとに一人でできることではないと思いますし、信頼できる方とちゃんとディスカッションしながら制作できるのはホントに有難いことです。
これからもまた楽しく色々と妄想して面白いもの作っていけたらと思います!
今回はありがとうございました!