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fumisound

「音が動く」という感覚

音程や周波数の話かと思われてしまうかもしれませんが、そういう類の話ではありません。


「スピーカーからの出音が有機的に感じる、音が動く感覚を覚えるような出音」


文章にすると「謎の言葉」「陳腐な言葉」になってしまうこの感覚。

でも実際にそういう出音が本当にある。

緩いダボっとした出音でもなく、ダンピングが~とか、レンジが~とか、歪率が~、3次倍音が~とか、電源が~とか、真空管が~とかそういう話でもないんですよね。

ちなみに私はあまりにカチッとした出音や顔面に音を叩きつけられるようなシステムは苦手です。



私が最初に体験したのはとあるビンテージオーディオ専門ショップ。

そのショップには当時凝っていたビンテージハンダを買いに行きました。


実際にお邪魔させていただくと、めちゃくちゃお店がデカい。。。。。

棚にずらーーーーっと並んだレコード、アンプや真空管、スピーカーたち。

そんな部屋を横目に見ながらオーディオがセットされたお部屋へ。

ハンダのお支払いと少々の雑談をさせていただき、自然と目の前に並んでいる雰囲気のあるオーディオ機材のお話を。


私  「オーディオって聴かせていただくことはできますか?」

店主様「どんな音楽をいつも聞いているの?」

私  「ジャズとか。。。。」

店主 「ガサゴソ。。これがおススメかなぁ?」


若輩者、コミュ障、手汗ダラダラ状態でしたので、こんな返答しかできなかったように覚えています(笑)

でも、出音を聞いた瞬間固まりました。


「オーディオからこんな音がでるの。。。。。?」


奥行、左右、前後が見えるのは当たり前のこと、位相が揃う、リアル、超解像度なんて言葉が陳腐になるような出音。。。。いまだにどう言葉にしていいかわかりません。

レコードにビンテージ系の機材だったのはわかりましたが、あまりの衝撃にどうしていいかわからなくなってしまい、機材の詳細を聞く前にそそくさと帰ってしまいました(笑)

何年か後にお伺いしようかと思ったら閉業されていて、すぐに再訪しなかったことを本当に後悔しました。。。


当時はカーオーディオやライブハウス、手持ちのベース機材等でデカい音を聞いておりました。

簡単に言えばPA基準のSRスピーカーやミキサー、パワーアンプ系が多かった。

そういう音が当たり前、普通と何も疑うことはありませんでしたが、一回でもスゴい音を聴くとその当たり前を疑うようになりました。

これって音が出ているだけじゃない?と。リスニング向けやモニター向けとかそういう話でもないんですよこれが。

エレクトリックにおけるリアルなのか?アコーステックなのか?なんなのか。


そこからはいろんな機材を試すようになり、現行のパワーアンプから結構古めのパワーアンプ、クラスDパワー、スピーカーも様々。

スピーカーをいろんな場所に聞きに行ったり、レコーディングスタジオにお邪魔させていただいたり。たくさんの出会いがあり、いろんな意味で勉強になりました。


その中で空気の波が見えるようなパワーアンプやクラスDでも信じられないようなパフォーマンスを発揮するもの、メッチャクチャ好きなPAスピーカーに出会ったり、超低価格なのに音が動くスピーカーなど様々なモノに出会えました。

値段でも無いし、カタログスペックでもない。

昔から使われているブランドやレアなのもでもなく、普通のものでも、知られていないものでもいいモノは確実に存在する。


いまはそんな音が聞ける場所少なくなってきているのかな~。

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